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人妻愛人契約
第15章 新しい夫婦のかたち
良泉館の家族風呂は宿泊棟から離れたところにポツンと1軒ある。家族がゆっくり過ごせるように、8畳のお休みどころがついた露天風呂になっている。
祐樹と希実は並んで御影石を使った湯船に入った。今朝まで降ってた雨はあがり、山の上にきれいな三日月が出ていた。
「こうして二人でお風呂に入るの、あの日以来だね」
祐樹が言った。
「そうね。やっぱりウチのお湯のほうがいいわね」
希実は手でお湯をすくって肩にかけた。
「希実さん、新しい愛人契約のことだけど、あれでよかったのかなあ」
「祐樹はどう思ってるの?」
「僕はよかったというか、仕方なかったと思ってる」
「仕方なかった?」
「うん。あのままだったら、僕たちの関係が壊れると思ったんだ。だから三河屋さんの提案にのった」
「…………」
「三河屋さんに、セックスなんて人間の基本的欲求の1つなんだから、古い考えに縛られないでもっと自由に楽しめばいいって言われて、そうかも知れないと思った。自分に正直になろうと思った。気が済むまでやってみようと思った。だから受け入れたんだ」
「そうだったんだ……」
「希実さんはどうして受け入れたの?」
「見てたんでしょう」
「希実さんの口からちゃんと聞きたいんだ」
「わたしは……わたしは結局、自分の身体の欲求に負けたのよ。祐樹の言うとおり、善一さんを忘れられなかった。偉そうなこと言って。ただのスケベな女だったのよ」
希実の目からまた涙が溢れてきた。祐樹はそっと希実の肩を抱いた。
「そんなに自分を責めちゃいけないよ。僕だってスケベな男だ。自分の奥さんが他の男に抱かれるところを見たいなんて立派な変態だよ」
「…………」
「希実さんが、三河屋さんの身体を求めるのは、自然な身体の欲求だと思えばいいんだよ。欲求を満たすために抱かれればいいんだよ。トイレに行くのと同じさ」
「トイレに?」
「そう、おしっこがしたくなったらトイレに行くだろう」
「善一さんはトイレか……」
「そう、あいつは単なるトイレさ」
ハハハハハ。二人は顔を見合わせて笑った。
祐樹と希実は並んで御影石を使った湯船に入った。今朝まで降ってた雨はあがり、山の上にきれいな三日月が出ていた。
「こうして二人でお風呂に入るの、あの日以来だね」
祐樹が言った。
「そうね。やっぱりウチのお湯のほうがいいわね」
希実は手でお湯をすくって肩にかけた。
「希実さん、新しい愛人契約のことだけど、あれでよかったのかなあ」
「祐樹はどう思ってるの?」
「僕はよかったというか、仕方なかったと思ってる」
「仕方なかった?」
「うん。あのままだったら、僕たちの関係が壊れると思ったんだ。だから三河屋さんの提案にのった」
「…………」
「三河屋さんに、セックスなんて人間の基本的欲求の1つなんだから、古い考えに縛られないでもっと自由に楽しめばいいって言われて、そうかも知れないと思った。自分に正直になろうと思った。気が済むまでやってみようと思った。だから受け入れたんだ」
「そうだったんだ……」
「希実さんはどうして受け入れたの?」
「見てたんでしょう」
「希実さんの口からちゃんと聞きたいんだ」
「わたしは……わたしは結局、自分の身体の欲求に負けたのよ。祐樹の言うとおり、善一さんを忘れられなかった。偉そうなこと言って。ただのスケベな女だったのよ」
希実の目からまた涙が溢れてきた。祐樹はそっと希実の肩を抱いた。
「そんなに自分を責めちゃいけないよ。僕だってスケベな男だ。自分の奥さんが他の男に抱かれるところを見たいなんて立派な変態だよ」
「…………」
「希実さんが、三河屋さんの身体を求めるのは、自然な身体の欲求だと思えばいいんだよ。欲求を満たすために抱かれればいいんだよ。トイレに行くのと同じさ」
「トイレに?」
「そう、おしっこがしたくなったらトイレに行くだろう」
「善一さんはトイレか……」
「そう、あいつは単なるトイレさ」
ハハハハハ。二人は顔を見合わせて笑った。