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人妻愛人契約
第15章 新しい夫婦のかたち
身体の繋がりが解けると、二人は再び湯船に浸かり、並んで夜空を見上げた。

「しばらく、子供はお預けだね」

希実が寂しそうな顔で言った。

「そうだね。しばらく薬を飲んだほうがいいね」

「うん……」

「僕たちには愛未がいるじゃないか。うんと可愛がってよろうよ」

「そうね。最近、あんまり相手をしてあげてなかったから、戻ってきたら思い切り甘えさせてあげよ」

「また3人で、あの公園に行こうか」

「いいね、それ。行こう、行こう」

希実は笑った。それは久しぶりに見る希実の明るい笑顔だった。

祐樹はその笑顔を見て、気になっていたことを聞いてみることにした。

「ところで希実さん、三河屋さんに頼んで事務所に防犯カメラをつけたの、なんで僕に黙ってたの?」

「防犯カメラ? なにそれ?」

「知らないの?」

「知らないわよ、そんなもの。だいたい事務所につけても意味ないじゃない。玄関につけるならわかるけど」

「そうだよね」

やっぱりそうだ。あれは三河屋さんの嘘だったんだ。

でもだとすると、あの映像をどうやって……。

「祐樹、防犯カメラがどうかしたの?」

考え込む祐樹の顔を心配そうな表情で希実が覗き込んできた。

希実に余分な心配をかけるわけにはいかない。

「ううん。なんでもない。きっと三河屋さんの勘違いだったんだろう」

そう言って、祐樹は誤魔化した。

二人はもう一度、唇を重ねた。三日月が二人を見守るように夜空で微笑んでいた。
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