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人妻愛人契約
第15章 新しい夫婦のかたち
9時、星奈が出社した。
星奈は、祐樹の顔を見るなり、「社長、よかったですね。女将さんが戻ってきて」ニコリと微笑んだ。「いま、そこでお会いしたんですが、すごく元気そうでした。なんかイキイキしてて。前よりも元気になったみたいで、ほっとしました」
心底ほっとしたような顔をしている。
「そうだね、星奈ちゃんにも心配かけちゃったね」
言いながら、祐樹は、こんないい子が三河屋さんの協力者なんてことがあるのかな、と心の中で思った。でも、念のためだ。確認してみなくちゃ。
「星奈ちゃんに聞きたいことがあるんだけど」
「なんですか?」
「あそこにあったふくろうの置物、どこにいったか知らない?」
祐樹は神棚の隣を指した。星奈が神棚を見た。
「知りませんけど」
「そうか。触ったことはある?」
「ありません。あの高さじゃ、私の身長だと椅子に乗っても届きませんから」
「そうだよね」
確かに小柄な星奈だとちゃんとした踏み台を持ってこないと、触ることはできなかっただろう。逆に言えば、踏み台を持ってくれば、取れるということではあるのだが……。
「それより、社長、どうやって女将さんと仲直りしたんですか? 慎吾さんみたいに土下座したんですか?」
星奈は、興味津々と目を輝かせて尋ねてきた。
「えーと、それは……」
祐樹が答えに迷っていると、事務所に希実が入ってきた。希実が好きな浅黄色の着物を着ている。
「二人で何を話してるの?」
「社長に女将さんとどうやって仲直りしたか聞いてるんです」
「仲直り?」
「喧嘩したんですよね?」
希実は頭を軽く振った。
「星奈ちゃん、わたしたちは喧嘩なんてしてませんよ」
「え、だったらどうして、女将さん、出て行ったんですか?」
「わたしだって、たまには息抜きがしたくなることがあるんです。それだけです」
「そうだったんですか……」
星奈は納得できないという表情で希実を見た。
「でも、星奈ちゃんやみんなに心配をかけたのは、申し訳なかったと思っています。ちゃんと声をかけて出掛けるべきでした。この通りです。どうか許してください」
希実は、丁寧に頭を下げた。
「と、とんでもないです。女将さん、頭を上げてください」
星奈が慌てて言うと、希実は顔を上げて、茶目っ気たっぷりにニコッと星奈に向かって微笑んだ。
星奈は、祐樹の顔を見るなり、「社長、よかったですね。女将さんが戻ってきて」ニコリと微笑んだ。「いま、そこでお会いしたんですが、すごく元気そうでした。なんかイキイキしてて。前よりも元気になったみたいで、ほっとしました」
心底ほっとしたような顔をしている。
「そうだね、星奈ちゃんにも心配かけちゃったね」
言いながら、祐樹は、こんないい子が三河屋さんの協力者なんてことがあるのかな、と心の中で思った。でも、念のためだ。確認してみなくちゃ。
「星奈ちゃんに聞きたいことがあるんだけど」
「なんですか?」
「あそこにあったふくろうの置物、どこにいったか知らない?」
祐樹は神棚の隣を指した。星奈が神棚を見た。
「知りませんけど」
「そうか。触ったことはある?」
「ありません。あの高さじゃ、私の身長だと椅子に乗っても届きませんから」
「そうだよね」
確かに小柄な星奈だとちゃんとした踏み台を持ってこないと、触ることはできなかっただろう。逆に言えば、踏み台を持ってくれば、取れるということではあるのだが……。
「それより、社長、どうやって女将さんと仲直りしたんですか? 慎吾さんみたいに土下座したんですか?」
星奈は、興味津々と目を輝かせて尋ねてきた。
「えーと、それは……」
祐樹が答えに迷っていると、事務所に希実が入ってきた。希実が好きな浅黄色の着物を着ている。
「二人で何を話してるの?」
「社長に女将さんとどうやって仲直りしたか聞いてるんです」
「仲直り?」
「喧嘩したんですよね?」
希実は頭を軽く振った。
「星奈ちゃん、わたしたちは喧嘩なんてしてませんよ」
「え、だったらどうして、女将さん、出て行ったんですか?」
「わたしだって、たまには息抜きがしたくなることがあるんです。それだけです」
「そうだったんですか……」
星奈は納得できないという表情で希実を見た。
「でも、星奈ちゃんやみんなに心配をかけたのは、申し訳なかったと思っています。ちゃんと声をかけて出掛けるべきでした。この通りです。どうか許してください」
希実は、丁寧に頭を下げた。
「と、とんでもないです。女将さん、頭を上げてください」
星奈が慌てて言うと、希実は顔を上げて、茶目っ気たっぷりにニコッと星奈に向かって微笑んだ。