この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
人妻愛人契約
第17章 冷たい闇
「失礼します」
ドアが開き、頭が白くなった小柄な男が入って来た。
「え!」
希実の瞳が大きく開いた。祐樹もあっけにとられた表情で入ってきた男を見ている。
「驚いたようだな」
善一は気分良さそうに微笑んだ。
「慎さん……」
「どうして、慎さんが……」
希実も祐樹もまだ状況を理解できてない。
「井上は俺の古い友人なんだ。10年ほど前、こいつが女に入れ込んで良泉館の金を使い込んだことがあってな。俺が助けてやったんだ。それ以来の仲さ。一緒にさんざん女遊びをしてきた。こいつが孕ませた女もたくさん知ってるよ」
「そんな、まさか……」あの真面目な慎吾が……。信じられない。「慎さん、ほんとうなの?」希実は聞いた。
「へへへ。女将、隠してましたが本当です」
「清美さんは知ってるの?」
「清美には話してませんが、うすうす感づいてると思います。あいつは大人しい女ですから、私の女遊びに目をつぶってくれてるんでしょう」
慎吾は悪びれたふうもなかった。
「清美さんが可哀そう……」
希実は目にうっすらと涙を滲ませた。
「希実、驚くのはそれだけじゃないぞ」善一は話を続けた。「お前がこの街に帰ってきたとき、俺はお前を手に入れたいと思った。そこでこいつに頼んだんだよ。良泉館の温泉を壊してくれってな」
「えっ!」
希実と祐樹が同時に声を出した。
ドアが開き、頭が白くなった小柄な男が入って来た。
「え!」
希実の瞳が大きく開いた。祐樹もあっけにとられた表情で入ってきた男を見ている。
「驚いたようだな」
善一は気分良さそうに微笑んだ。
「慎さん……」
「どうして、慎さんが……」
希実も祐樹もまだ状況を理解できてない。
「井上は俺の古い友人なんだ。10年ほど前、こいつが女に入れ込んで良泉館の金を使い込んだことがあってな。俺が助けてやったんだ。それ以来の仲さ。一緒にさんざん女遊びをしてきた。こいつが孕ませた女もたくさん知ってるよ」
「そんな、まさか……」あの真面目な慎吾が……。信じられない。「慎さん、ほんとうなの?」希実は聞いた。
「へへへ。女将、隠してましたが本当です」
「清美さんは知ってるの?」
「清美には話してませんが、うすうす感づいてると思います。あいつは大人しい女ですから、私の女遊びに目をつぶってくれてるんでしょう」
慎吾は悪びれたふうもなかった。
「清美さんが可哀そう……」
希実は目にうっすらと涙を滲ませた。
「希実、驚くのはそれだけじゃないぞ」善一は話を続けた。「お前がこの街に帰ってきたとき、俺はお前を手に入れたいと思った。そこでこいつに頼んだんだよ。良泉館の温泉を壊してくれってな」
「えっ!」
希実と祐樹が同時に声を出した。