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人妻愛人契約
第2章 三河屋
「このまま明日が来なければいいのに」希実が呟いた。「嫌だなあ。本当にお腹がいたくなりそう」

「大丈夫だって。ちょっと我慢してれば、すぐに終わるさ」

希実を励まそうと、祐樹は、わざと軽い調子で言った。しかし、希実は、いかにも心外というふうに顔を顰めた。

「男の人は、入れて出してしまえば終わりだから、そう思うのかも知れないけど、女は、自分の身体の中に、異物を受け入れなければいけないのよ。ちょっとの時間でも嫌だし、それに……怖い」

希実は、ぎこちなく笑った。

怖い、か。愛未を産むときでさえ、そんなこと言ったことはないのに……。祐樹は切なくなった。胸が締め付けられるように痛い。

「ごめんね。軽く言って悪かった」

祐樹は、希実を力いっぱい抱きしめた。

「ううん、いいの。祐樹だってわたしの気持ちを楽にしようと思って言ってくれたんでしょ。わかってる。でもね、わたしがこういうことができるのは、祐樹だからっていうことは、わかって欲しいんだ。祐樹のことを信頼してるし、愛してるから、できるんだよ」

「…………」

祐樹は何も言えず、ただ頷いた。

「祐樹、お願いがあるんだけど」

「なに?」

「明日、終わったら、また今みたいにわたしを抱きしめてくれる?」

「いいよ。喜んで抱きしめてあげるよ」

「ギュッと抱きしめてもらいたいの」

「わかった。ギュッと抱きしめてあげる。今よりももっと強く。希実さんの骨が折れるくらい」

「ありがとう」

祐樹のモノが萎んでいった。希実の筋肉の収縮に押し出され、ズルッと希実の体内から抜けていく。

「ああ」

希実は、名残を惜しむように喘ぎ声を出した。伸びきったコンドームが外れ、漏れ出した白い体液が、希実の太腿を汚した。
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