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人妻愛人契約
第2章 三河屋
それにしても、こうして二人の美女が並んだ姿は、そこだけスポットライトが当たったように華やいでいた。

身長が高く凛とした美しさを持つ希実と、小柄で愛らしい美しさの沙耶。二人の特徴はまったく異なり、甲乙はつけがたい。しかし、それでもやはり見ていると、希実の美しさのほうが勝っていた。どうしても沙耶が霞んで見える。薄紅色の華やかな着物を着ていてそうなのだから、シックなベージュのワンピースを選んだ希実は、正しかったということなのだろう。和服を選んでいたら、旅館の華としての沙耶の立場は、完全になくなっていたに違いない。

そのあと沙耶は、二人をレストランやバンケットルーム、中庭と順に案内してくれた。どこも今風に和モダンなつくりになっている。ところどころの壁や調度品に、隠れたように桔梗や桜など季節の花の図柄が施され、風流な遊び心もあった。バリアフリーも徹底されている。

温泉は男女とも、川の流れが見えるところに露天風呂があり、対岸の山の緑を愛でながら、渓流の流れも聞くことができる。ハーブオイルを使ったトリートメントを受けられるスパも併設されていた。

どれもが素晴らしい施設で、二人は、ただただ圧倒されるばかりだった。
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