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人妻愛人契約
第2章 三河屋
お湯は良泉館と同じ、透明でヌルヌルしたアルカリ性。美肌の湯だった。

御影石でできた四角い湯船に、祐樹が先に入って待っていると、希実はタオルで前を隠して入ってきた。

二人は、川向うの山の緑を見ながら、並んで座った。そうやってカップルが楽しめるようになっているのだろう。背中があたるほうの淵は、少し斜めになっていて、身体を預けて、ゆっくりすることができた。

希実は、手でお湯をすくっては、肩にかけている。

「温泉は、ウチの勝ちね。ヌルヌルが弱いわ」

ちょっぴり嬉しそうだった。

祐樹は、手ですくったお湯を嗅いでみた。

「匂いもちょっと薄いな。源泉が違うって、こういうことなんだね」

そのまま二人は、黙ってお湯につかった。時々、吹く風が火照った顔にあたるのが心地よい。祐樹が隣を見ると、希実の顔もいい色に染まっていた。
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