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人妻愛人契約
第3章 初めての夜
「失礼します」
希実を先にして部屋に入ると、12畳の和室になっている。中央に座卓が置かれ、左側に床の間を背に、祐樹と同じ灰色の浴衣を着た善一の巨体が座っていた。
「さあ、どうぞ、座って、座って」
善一は、希実の顔を見ると、嬉しそうに目の前の席を手で示した。しかし、希実はそれ以上前に進もうとしなかった。
「どうしたの?」希実の背中越しに祐樹が聞くと、「ごめんなさい」と言って、ようやく足を前に動かした。
希実の身体が動くと、祐樹にもようやく部屋の全体が見えるようになった。
「あっ」
祐樹は思わず声を出した。二人が座る席の後ろに、もう1つ別の部屋があり、布団が一組敷かれていたからだ。しかも、これ見よがしに枕が2つ並べられている。祐樹の顔がサッと青ざめた。それを見て善一は、面白そうに笑っている。
「悪い趣味をお持ちですね」
座りながら希実が言った。明るい茶色の瞳が怒りに燃えている。
「そうですか? 隠し事は嫌いなもので、ご主人にもこれから私たちが愛し合う場所をちゃんと見ておいてもらったほうがいいと思ったんですが。お気に召さなければ、襖を閉めさせましょう」
善一が、おい、と沙耶に向かって首を振ると、沙耶は、いそいそと襖を閉めた。
「これでいいでしょう」
善一は、ニヤニヤ笑いながら、希実の顔を見ている。希実は、何も言わず、善一の顔を睨み返していた。
「まずは乾杯といきますか」
沙耶が、三人のコップにビールを注いで回る。全員のコップが一杯になると、善一はグローブのような大きな手でコップを掴んだ。
「では、われわれの新たな関係に、乾杯!」
善一は、機嫌よくコップのビールを飲み干した。元々、酒の弱い祐樹は、ほんの少し口をつけただけだった。希実も酒は強くないが、いまは自分を酔わせたいのか、善一と同じようにコップのビールを一気に飲み干した。
「ほお」
そんな希実の姿を善一は、細い目をさらに細くして見つめていた。
希実を先にして部屋に入ると、12畳の和室になっている。中央に座卓が置かれ、左側に床の間を背に、祐樹と同じ灰色の浴衣を着た善一の巨体が座っていた。
「さあ、どうぞ、座って、座って」
善一は、希実の顔を見ると、嬉しそうに目の前の席を手で示した。しかし、希実はそれ以上前に進もうとしなかった。
「どうしたの?」希実の背中越しに祐樹が聞くと、「ごめんなさい」と言って、ようやく足を前に動かした。
希実の身体が動くと、祐樹にもようやく部屋の全体が見えるようになった。
「あっ」
祐樹は思わず声を出した。二人が座る席の後ろに、もう1つ別の部屋があり、布団が一組敷かれていたからだ。しかも、これ見よがしに枕が2つ並べられている。祐樹の顔がサッと青ざめた。それを見て善一は、面白そうに笑っている。
「悪い趣味をお持ちですね」
座りながら希実が言った。明るい茶色の瞳が怒りに燃えている。
「そうですか? 隠し事は嫌いなもので、ご主人にもこれから私たちが愛し合う場所をちゃんと見ておいてもらったほうがいいと思ったんですが。お気に召さなければ、襖を閉めさせましょう」
善一が、おい、と沙耶に向かって首を振ると、沙耶は、いそいそと襖を閉めた。
「これでいいでしょう」
善一は、ニヤニヤ笑いながら、希実の顔を見ている。希実は、何も言わず、善一の顔を睨み返していた。
「まずは乾杯といきますか」
沙耶が、三人のコップにビールを注いで回る。全員のコップが一杯になると、善一はグローブのような大きな手でコップを掴んだ。
「では、われわれの新たな関係に、乾杯!」
善一は、機嫌よくコップのビールを飲み干した。元々、酒の弱い祐樹は、ほんの少し口をつけただけだった。希実も酒は強くないが、いまは自分を酔わせたいのか、善一と同じようにコップのビールを一気に飲み干した。
「ほお」
そんな希実の姿を善一は、細い目をさらに細くして見つめていた。