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人妻愛人契約
第3章 初めての夜
「三河屋さんは、学生時代、何かスポーツをされてたんですか?」

少しまともな話題に変えようと、祐樹が質問した。

「高校時代、相撲をやってました。全国大会にも出たことがあるんですよ」

「どうりで身体が大きいわけだ」

「身長は175しかありませんが、体重は100キロあります。まあ、いまはこのとおり、ほとんど脂ばかりですけどね」

善一は、腹を突き出し、お腹周りの肉を摘まんでみせた。

「希実さんは、子どもの頃、バレエを習われてましたよね。今でも続けられてるんですか?」

「いまはやってません」

希実は、あなたとは話したくないというように、ぶっきらぼうに答えた。

「ほう。でも、そのスタイルだ。何かスポーツはされてるんでしょう?」

「エアロビとヨガを少しやってます」

「やはりそうですか」善一は頷いた。「体幹が鍛えられているから、きっと締まりもいいんでしょうね。ご主人が羨ましい」また、ガハハハと笑う。

さすがにこれには希実が切れた。

「いい加減にしてください。そんな話をするんなら、わたし、帰ります」

希実は勢いよく立ち上がって出ていこうとしたが、意外にも善一が巨体に似合わず俊敏な動きで立ち上がり、前を塞いだ

「失敬、失敬、口が過ぎました」両方の手の平を胸の前に広げて希実を制しながら頭を下げた。「この通りです。どうか許してください」

「今度、同じような話をしたら、本当に帰りますからね」

希実は真剣に怒っていた。美しい眉がピクピク動いている。それでも善一が、わかりました、と答えると、希実はしぶしぶという感じで席に戻った。
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