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人妻愛人契約
第3章 初めての夜
会話がなくなった。お通夜のような重苦しい空気の中、善一が時折箸を動かす音だけが聞こえてくる。
10分くらい経っただろうか。そうだそうだ、と思い出したように善一が口を開いた。
「キャンペーンの話なんですが――」
すかさず希実が話を遮るように、
「その話は、もうしないことにしたはずです」ぴしりと言った。
「いいえ、昔の話ではなくて、これからのことなんですがね。温泉街全体で大きな目玉になるようなイベントができないかと考えてるんですよ」
「イベントですか?」
祐樹が聞いた。
「ええ、希実さんは、以前有名なコスプレイヤーだったとか。それで思ったんですが、コスプレフェスティバルみたいなものをこの温泉でやったら、新しい客をつかめるんじゃないかと。どうでしょうかねえ」
「いいと思います。実は僕たちも一度考えたことがあるんですけど、自分たちの旅館だけでやっても集められる人数は限られるんで諦めたんです。温泉街全体でやるとなれば、それなりの人を集めるイベントができると思いますよ」
「そうですか。深田さんもそう思いますか」
「はい、うまくやれば、若い人たちがたくさん来てくれると思います。希実もそう思うだろう」
「まあね。古い街並みや、昔の石切り場の跡みたいなインスタ映えするところもあるから、いいかもね」
希実が面倒くさそうに答えたが、それでも善一は嬉しそうに頷いた。
10分くらい経っただろうか。そうだそうだ、と思い出したように善一が口を開いた。
「キャンペーンの話なんですが――」
すかさず希実が話を遮るように、
「その話は、もうしないことにしたはずです」ぴしりと言った。
「いいえ、昔の話ではなくて、これからのことなんですがね。温泉街全体で大きな目玉になるようなイベントができないかと考えてるんですよ」
「イベントですか?」
祐樹が聞いた。
「ええ、希実さんは、以前有名なコスプレイヤーだったとか。それで思ったんですが、コスプレフェスティバルみたいなものをこの温泉でやったら、新しい客をつかめるんじゃないかと。どうでしょうかねえ」
「いいと思います。実は僕たちも一度考えたことがあるんですけど、自分たちの旅館だけでやっても集められる人数は限られるんで諦めたんです。温泉街全体でやるとなれば、それなりの人を集めるイベントができると思いますよ」
「そうですか。深田さんもそう思いますか」
「はい、うまくやれば、若い人たちがたくさん来てくれると思います。希実もそう思うだろう」
「まあね。古い街並みや、昔の石切り場の跡みたいなインスタ映えするところもあるから、いいかもね」
希実が面倒くさそうに答えたが、それでも善一は嬉しそうに頷いた。