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第3章 初めての夜

「希実さんは、誰のコスプレをするんですか？　やはりステラですか？」

ステラ・スプレンドーレ。光の戦士。ゲームの主人公、火の戦士フィーゴの恋人だ。

「違います。リナです」

「リナですか！　それは、それは……ふーん」

善一は、細い目を丸くして何度も頷いた。

リナ・エスペランサ。雷の戦士。フィーゴの親友、大地の戦士ダンの恋人だ。

善一が驚いたのは、おそらくリナのコスチュームがかなり大胆だからだろう。基本は白いレオタードだが、胸元はV字に深くカットされ乳房が半分露出し、股間は腰骨が見える超ハイレグになっている。その上に透け感のある黒いボレロを羽織り、両サイドにスリットが入った黒いミニスカートを履くだけだから、普通の人はまず挑戦しようとは思わない。

「勇気があるなあ。リナが余程気にいったんでしょうね」

「ええ、戦士になる背景が、他のキャラとちょっと違ってて。もともと、リナはシードの遺伝子操作で生まれたんです。だから知性が高く、戦士としての完璧なボディを持っている。でも普通の人のような感情がない。最初は、殺戮人形オートマタと呼ばれるんですが、それがダンと出会って、少しずつ感情が芽生え、人を愛することができるようになって……。私が一番好きなサイドストーリーです」

希実は、透き通るような美しい瞳を輝かせながら話した。