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人妻愛人契約
第3章 初めての夜
お茶が出てきた。時計を見ると、もう10時を回っている。

「さて、そろそろお開きにしましょうか」

いよいよか。祐樹は、心が重く沈んでいくのを感じた。楽しい宴会ではなかったが、これからのことを思えば、まだましだった。希実も緊張しているのだろう。顔が氷のように固まっている。

「私は、これから奥さんをお借りし、隣の部屋に移ろうと思いますが、深田さんはどうされますか。ここに残ってお酒を飲んでいても構いませんよ」

「いえ、結構です。僕は部屋に戻ります」

「そうですか。それは残念ですが、しかたありませんね。部屋まで沙耶に送らせましょう」

善一がテーブルのボタンを押すと、すぐに廊下側の襖が開いた。

「お客様がお帰りだ」

「かしこまりした。お部屋までご案内しますので、どうぞこちらへ」

祐樹に向かって沙耶は言った。

祐樹は希実を見た。希実は、心配しないで、と言うように、ニッコリと微笑みながら大きく頷いた。
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