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人妻愛人契約
第3章 初めての夜
山の上にきれいな満月が昇っていた。

その月明かりの下、祐樹は、発見された徘徊老人のように沙耶に手を引かれて部屋へと戻っていった。鍵も沙耶に開けてもらった。

こんなこと認めるんじゃなかった――。いまさらだが、後悔の念が押し寄せてきた。

しかし、すべては後の祭り。どうにもならない。虚しかった。

「どうぞ」

沙耶がお茶を入れてくれたが、とても手を出す気にはなれない。祐樹は俯いたまま座っていた。

「あとでお夜食をお持ちしますね」

「いいです。要りません」

「でも、ほとんど召し上がってなかったじゃないですか。何か口に入れておかないと身体に毒です」

「いいんです。ほっといてください」

祐樹は言ったが、また来ます、と言って、沙耶は出て行った。
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