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人妻愛人契約
第3章 初めての夜
和室に戻っても、祐樹は落ち着かなかった。どうやって希実を迎えようか。普通にすればいいのか。抱きしめたほうがいいのか。
それに昨夜のこと……。沙耶が言ってたように本当に聞いてもいいものなんだろうか。いろいろな考えが頭の中をめぐる。
早く戻ってきて欲しい――。祐樹は首を長くしてドアを見ていた。
しかし、いくら待っても希実は戻ってこなかった。時計を見ると、電話をもらってから1時間近く経とうとしている。7時はすでに回っている。
いくらなんでも遅すぎる。祐樹は、フロントに電話して、離れの番号を聞こうと、苛立ちながら受話器を取り上げた。
ピンポーン。
ちょうどその時、玄関のチャイムが鳴った。
希実だ!
祐樹は受話器を置き、喜び勇んで玄関に降りてドアを開けた。
「あ……」
沙耶が立っていた。浴衣ではなく藤色の着物を着ている。
「おはようございます。昨日は、よく眠られましたか?」
昨夜のことはもう気にしてないのか、口元にほんのりと笑みを浮かべていた。
「ええ、まあ……」
「それは良かったです」
「希実は?」
「旦那様と先に食事会場のほうに行かれました」
「そうですか……」
「お支度ができてるようであれば、ご案内しますが」
「ちょっと待ってください」
祐樹は部屋に戻り、浴衣を着直すと、上に丹前を着て出てきた。
「お待たせしました」
「ではまいりましょうか」
沙耶が先を歩いていく。
「あのー、希実からいったん部屋に戻ると電話があったんですが、何かあったんでしょうか」
「そうなんですか。特に何もおっしゃってませんでしたけど」
沙耶は何も教えてくれなかった。本当に知らないのかも知れない。
それに昨夜のこと……。沙耶が言ってたように本当に聞いてもいいものなんだろうか。いろいろな考えが頭の中をめぐる。
早く戻ってきて欲しい――。祐樹は首を長くしてドアを見ていた。
しかし、いくら待っても希実は戻ってこなかった。時計を見ると、電話をもらってから1時間近く経とうとしている。7時はすでに回っている。
いくらなんでも遅すぎる。祐樹は、フロントに電話して、離れの番号を聞こうと、苛立ちながら受話器を取り上げた。
ピンポーン。
ちょうどその時、玄関のチャイムが鳴った。
希実だ!
祐樹は受話器を置き、喜び勇んで玄関に降りてドアを開けた。
「あ……」
沙耶が立っていた。浴衣ではなく藤色の着物を着ている。
「おはようございます。昨日は、よく眠られましたか?」
昨夜のことはもう気にしてないのか、口元にほんのりと笑みを浮かべていた。
「ええ、まあ……」
「それは良かったです」
「希実は?」
「旦那様と先に食事会場のほうに行かれました」
「そうですか……」
「お支度ができてるようであれば、ご案内しますが」
「ちょっと待ってください」
祐樹は部屋に戻り、浴衣を着直すと、上に丹前を着て出てきた。
「お待たせしました」
「ではまいりましょうか」
沙耶が先を歩いていく。
「あのー、希実からいったん部屋に戻ると電話があったんですが、何かあったんでしょうか」
「そうなんですか。特に何もおっしゃってませんでしたけど」
沙耶は何も教えてくれなかった。本当に知らないのかも知れない。