この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
人妻愛人契約
第4章 移りゆく季節の中で~夏、悪い夢
「ちょっと、そこの人」祐樹は、お客さんの一人から声を掛けられた。70歳くらいの男の人が立っている。「この荷物、運んでくれんかね」

「お預かりですね」

「ああ」

「お名前をお聞かせいただけますか」

「鈴木。鈴木一郎」

祐樹は、黒いキャリーバッグを持ち上げると、お客さんの先を歩き、玄関の中に入った。

「鈴木さま、お荷物のお預かりです」フロントに声をかけ、ロビーにあるソファの隣に荷物を置く。

「順番になりましたら、お声がけさせていただきますので、しばらくこちらに掛けてお待ち下さい」

「ありがとう。気が利くね」鈴木と名乗った男は、上機嫌で言うと、腰を掛けた。「それにしても、ここの女将さんは美人だね」

「ありがとうございます」

「隣にいるのが旦那だろう」鈴木は、顎でガラス戸の外にいる善一を指した。「こう言っちゃ失礼だけど、美女と野獣って感じだな。でも惚れたものどうし、仲が良さそうで羨ましいよ」

鈴木は笑った。

「あの、実は……」祐樹が、自分が夫です、と言おうとしたところに、フロントから「鈴木さま、お待たせしました」と声がかかった。

「お、順番だ」鈴木は立ち上がると、「ありがとうね」と言って、フロントへ歩いていってしまった。

はあ~。祐樹はため息をついた。

外を見ると、希実と善一が寄り添うように立って、次々と到着する客を迎えていた。希実が和服を着ていることもあり、恰幅のいい善一の隣にいると華やかな姿が妙にはまっている。これじゃあ確かに二人が夫婦と思われても仕方がないか、と祐樹は思った。

さて、どうするか。わざわざ間に割って入るというのも大人げないし……。祐樹は、玄関の内側で客を迎えることにした。
/346ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ