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人妻愛人契約
第4章 移りゆく季節の中で~夏、悪い夢
部屋の一部改修が功を奏したのか、客足が少しづつ戻ってきた。善一もバスで湯めぐりの客を運ぶのを引き続きやってくれている。良泉館は着実に立ち直りつつあった。
希実も祐樹もほとんど休む暇なく働いた。それでも二週間ほどすると、次第に状況が落ち着き、祐樹にも少し余裕ができてきた。
「希実さん、ちょっと話があるんだけど」
仕事が終わった夜の事務所で、希実と二人になったのを見計らい、祐樹は切り出した。
「なに?」
「みんなで使えるアプリをつくろうと思うんだけど、いいかな?」
「アプリ?」
「うん。スマホ用のアプリ。お客さんが到着した情報や個別に受けた要望なんかをアプリで共有できるようにすれば、みんなの仕事がもっと楽になると思うんだ。いまは口頭での伝言とメモでやってるだろう。お客さんが一度に来たときなんか大変そうで。結構ミスもあるみたいだし」
「それいいよ! 絶対、みんな助かると思う!」
希実は、アーモンド形の目を大きく開き、嬉しそうに言った。
「よし、じゃあ、作ってみるか」
「さすがにわたしの旦那さんだね。目のつけどころが違う」
「そんなにおだてないでくれよ。まだつくったわけじゃないんだから」
「ううん。本当に思ってるの。祐樹はいつも人のことを考えてくれる。それがすごいと思うし、わたしは好き」
「照れるなあ、そんなこと言われると」
頭をかく祐樹の隣に希実は座ると、祐樹の肩を抱き、顔を寄せてきた。そっと唇を重ねてくる。応えるように祐樹も希実の唇を吸った。
希実も祐樹もほとんど休む暇なく働いた。それでも二週間ほどすると、次第に状況が落ち着き、祐樹にも少し余裕ができてきた。
「希実さん、ちょっと話があるんだけど」
仕事が終わった夜の事務所で、希実と二人になったのを見計らい、祐樹は切り出した。
「なに?」
「みんなで使えるアプリをつくろうと思うんだけど、いいかな?」
「アプリ?」
「うん。スマホ用のアプリ。お客さんが到着した情報や個別に受けた要望なんかをアプリで共有できるようにすれば、みんなの仕事がもっと楽になると思うんだ。いまは口頭での伝言とメモでやってるだろう。お客さんが一度に来たときなんか大変そうで。結構ミスもあるみたいだし」
「それいいよ! 絶対、みんな助かると思う!」
希実は、アーモンド形の目を大きく開き、嬉しそうに言った。
「よし、じゃあ、作ってみるか」
「さすがにわたしの旦那さんだね。目のつけどころが違う」
「そんなにおだてないでくれよ。まだつくったわけじゃないんだから」
「ううん。本当に思ってるの。祐樹はいつも人のことを考えてくれる。それがすごいと思うし、わたしは好き」
「照れるなあ、そんなこと言われると」
頭をかく祐樹の隣に希実は座ると、祐樹の肩を抱き、顔を寄せてきた。そっと唇を重ねてくる。応えるように祐樹も希実の唇を吸った。