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人妻愛人契約
第5章 移りゆく季節の中で~秋、素足の魔女
その30分後、善一から祐樹に電話が入った。打ち合わせの時間を10時に前倒しできないかと言う。面倒なことは早めに終わらせたほうがいいと思った祐樹は、わかりました、と言って電話を切った。
祐樹は、10時ちょうどに旅館組合のビルに到着した。受付で名前を告げると、3階にある役員用の会議室に通された。
皮張りの椅子が20席ある立派な会議室だったが、いまは誰もいない。祐樹は、いかにも重厚な雰囲気にかしこまりながら、ドアから入って直ぐの席に座った。
「深田さんですか?」
奥から善一の野太い声が聞こえた。見ると、奥にもう1つドアがあり、半分開いている。どうやら理事長室と直接繋がっているようだ。
「はい、そうです」
祐樹は、少し大きな声を出して答えた。
「すみません。時間を変更していただいて。今朝から、ちょっと身体の具合が悪くて。いまここのソファで休んでるんです。深田さんとの打ち合わせが済んだら病院に行こうと思って、それで時間を変えてもらった次第です」
「え、だったら今日はやめたほうがいいんじゃないですか。三河屋さんの都合を言ってもらえれば、僕は合わせますから」
「いえ、大事な話なので、早めにしておきたいんです。申し訳ありませんが、私はこのままここで休みながら話してもいいでしょうか。」
「僕は構いませんが。本当に大丈夫ですか。無理しない方が……」
「ご心配かけてすみません。いつものことですから、そのうち治まるでしょう。さっそくやりましょう」
ソファの上で身体を起こしたのか、ゴソゴソと善一が動く音が聞こえてきた。
祐樹は、10時ちょうどに旅館組合のビルに到着した。受付で名前を告げると、3階にある役員用の会議室に通された。
皮張りの椅子が20席ある立派な会議室だったが、いまは誰もいない。祐樹は、いかにも重厚な雰囲気にかしこまりながら、ドアから入って直ぐの席に座った。
「深田さんですか?」
奥から善一の野太い声が聞こえた。見ると、奥にもう1つドアがあり、半分開いている。どうやら理事長室と直接繋がっているようだ。
「はい、そうです」
祐樹は、少し大きな声を出して答えた。
「すみません。時間を変更していただいて。今朝から、ちょっと身体の具合が悪くて。いまここのソファで休んでるんです。深田さんとの打ち合わせが済んだら病院に行こうと思って、それで時間を変えてもらった次第です」
「え、だったら今日はやめたほうがいいんじゃないですか。三河屋さんの都合を言ってもらえれば、僕は合わせますから」
「いえ、大事な話なので、早めにしておきたいんです。申し訳ありませんが、私はこのままここで休みながら話してもいいでしょうか。」
「僕は構いませんが。本当に大丈夫ですか。無理しない方が……」
「ご心配かけてすみません。いつものことですから、そのうち治まるでしょう。さっそくやりましょう」
ソファの上で身体を起こしたのか、ゴソゴソと善一が動く音が聞こえてきた。