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絶対に許さないからね
第13章 墓参り
本堂の脇を通って裏に出ると、
たくさんの墓石が整然と並んでいた。
砂利敷きの上を歩く乾いた音。
線香のにおい。
境内のすぐ外まで迫っている裏手の山の雑木が、
風に吹かれて枝葉を揺らせている。
手桶に水を汲み、
記憶を頼りに父の墓を探すと、
記憶通りの場所に見つかった。
「ここ?」
「そうよ。前にきたの、覚えてない?」
三回忌のときはこなかったので、
墓参りはずいぶんと久しぶりだ。
詩子は首を傾げて記憶を探っていたが、
すぐに諦めたらしい。
手桶を地面に置いて手が空いたわたしに、
はい、と言って花を押し付け、
あたりをきょろきょろ見回している。
お化けがいないか探しているのだろう。
たぶん。
母がちょくちょくお参りしているらしく、
お墓はきれいだった。
雑草の一本も生えていない。
花を供え、線香に火をつける。
しゃがんで合掌すると、
詩子もわたしの隣でしゃがんで厳かに手を合わせた。
わたしは目を閉じ、心の中で父に語りかけた。
たくさんの墓石が整然と並んでいた。
砂利敷きの上を歩く乾いた音。
線香のにおい。
境内のすぐ外まで迫っている裏手の山の雑木が、
風に吹かれて枝葉を揺らせている。
手桶に水を汲み、
記憶を頼りに父の墓を探すと、
記憶通りの場所に見つかった。
「ここ?」
「そうよ。前にきたの、覚えてない?」
三回忌のときはこなかったので、
墓参りはずいぶんと久しぶりだ。
詩子は首を傾げて記憶を探っていたが、
すぐに諦めたらしい。
手桶を地面に置いて手が空いたわたしに、
はい、と言って花を押し付け、
あたりをきょろきょろ見回している。
お化けがいないか探しているのだろう。
たぶん。
母がちょくちょくお参りしているらしく、
お墓はきれいだった。
雑草の一本も生えていない。
花を供え、線香に火をつける。
しゃがんで合掌すると、
詩子もわたしの隣でしゃがんで厳かに手を合わせた。
わたしは目を閉じ、心の中で父に語りかけた。