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絶対に許さないからね
第13章 墓参り
「ちょっと手を合わせるだけよ」

 詩子に聞かれないように声を落とす。
別れを察したオーロが激甘えモードに入っているので、
詩子はそれどころではなさそう。

「そうじゃなくて……」

 声も視線も落として、
知らないの、と母は続けた。

「え?」

「知らないの。お墓の場所。
どこにあるのか、知らないの……」

 そう言う母の顔は、
直視できないほど寂しかった。
ぞっとするほど悲しかった。

「じゃあ、お墓参り、してないの?」

 静かに、母は頷く。

「一度も?」

「一度も」

 墓の場所、
教えてもらえなかったのだろうかと一瞬考えたけど、
きっとそうじゃない。
そもそも聞いていないのだ。
行ってはいけない、と考えているのだ。

 母に墓参りさえさせていないのは、
多分にわたしのせい。

「ごめんなさい」

 心を裸にして、純粋に、
一番強い感情が、
勝手にするりとくちからこぼれた。
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