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絶対に許さないからね
第13章 墓参り
詩子は麦茶を一息で飲み干して、
オーロと遊んでいる。
母と向かい合ってコーヒーを飲む。
ふたりとも、一言もしゃべらなかった。
でも、嫌な感じの沈黙ではなかった。
しゃべらなくても大丈夫と思えるような、
自然体の静かな時間。
言葉は邪魔になる。
母と、一言もしゃべらないおしゃべりの時間を過ごし、
わたしはコーヒーのお礼を言って立ち上がった。
「ねえ、今度、あいつの墓参りに、
わたしも連れてって」
自然と言えた。
ちょっとそっけなかったけど、
意地悪な感じにはならなかったと思う。
でも、びっくりした表情の母に、
どんな顔を向けたらいいのかわからなかった。
鞄を肩にかけながら、詩子に、
帰るわよ、と声をかける。
その声は優しく響いた。
母にもその声で接してあげればいいのに。
「ありがとう。でも、だめなの」
遠慮がちに、母は言った。
オーロと遊んでいる。
母と向かい合ってコーヒーを飲む。
ふたりとも、一言もしゃべらなかった。
でも、嫌な感じの沈黙ではなかった。
しゃべらなくても大丈夫と思えるような、
自然体の静かな時間。
言葉は邪魔になる。
母と、一言もしゃべらないおしゃべりの時間を過ごし、
わたしはコーヒーのお礼を言って立ち上がった。
「ねえ、今度、あいつの墓参りに、
わたしも連れてって」
自然と言えた。
ちょっとそっけなかったけど、
意地悪な感じにはならなかったと思う。
でも、びっくりした表情の母に、
どんな顔を向けたらいいのかわからなかった。
鞄を肩にかけながら、詩子に、
帰るわよ、と声をかける。
その声は優しく響いた。
母にもその声で接してあげればいいのに。
「ありがとう。でも、だめなの」
遠慮がちに、母は言った。