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第16章 絶対に許さないからね

「いや、実はやりたいシチュエーションあるんだ。
お願いしようって思ってたんだ。
さすがに美香は俺のことをわかってくれてるな」

　よしきた！
皆まで言うな。

「AVのタイトルははっきり覚えてないんだけど」

　いい、いい、
タイトルなんかどうでもいい。
ストーリーを擦り合わせようじゃないか。
わたしはもちろんエリート捜査官で、
銀ちゃんは悪の組織の親玉だ。
いや、下っ端のほうがいいか。
そのほうが屈辱感が強いか。

「たしか女優さんが俺のことを好き過ぎるって設定で、
その女優さんにめちゃくちゃ痴女られるってやつ」

　は？

「さっきの、動くな声も出すなってやつ、
すごくよかったんだよ。興奮したんだ」

　あんなの、素のわたしじゃないか。
あれでいいのか？