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絶対に許さないからね
第2章 平和な時間
「で、美香ちゃん、
なんか忘れてない、って聞いてるの」
「なによ、忘れてるって」
美香ちゃんって呼ぶなって叱られたことを、
忘れているのは詩子のほうだ。
「きゅうりの浅漬け」
あ。
「ごめん、すっかりと。出そうか」
「もう食べ終わっちゃったよー」
言うと同時に、肉じゃがの最後の一欠片を口に放り込み、
詩子はごちそうさまでした、と手を合わせた。
お茶おかわりは?
まだある。
髪とかしてあげようか?
うん。
ブラシ持ってきなさい。
はーい。
平和な時間。
ラジオの時報が、
ちょうど七時三十分を告げている。
なんか忘れてない、って聞いてるの」
「なによ、忘れてるって」
美香ちゃんって呼ぶなって叱られたことを、
忘れているのは詩子のほうだ。
「きゅうりの浅漬け」
あ。
「ごめん、すっかりと。出そうか」
「もう食べ終わっちゃったよー」
言うと同時に、肉じゃがの最後の一欠片を口に放り込み、
詩子はごちそうさまでした、と手を合わせた。
お茶おかわりは?
まだある。
髪とかしてあげようか?
うん。
ブラシ持ってきなさい。
はーい。
平和な時間。
ラジオの時報が、
ちょうど七時三十分を告げている。