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絶対に許さないからね
第1章 暗い水辺



 濃く深い闇の中で気がついて、
ああまただ、とわたしは思う。
墨汁をぶちまけたような、黒一色の世界。
ひとりぼっちの心細さ、
右も左もわからない。
闇の中からなにかがわたしを、
じっと見ている気配がする。
静かにしていると、
その気配は少しずつ濃くなってくる。
今にも手が伸びてきて、
水の中に引きずり込まれそう。
それでようやく自分の立つすぐ前が、
底の知れない深い淵だと思い出す。
背中を冷たい汗が滑り落ちていく。
夢を見ているのだとわかっているのに、
淵の水のリアルな冷たさに背筋が凍る。
逃げ出したくても、足を踏み出すその先に、
地面があるのかどうかもわからない。

 目が覚めても目を閉じたまま、
わたしはじっと動かないでいる。
不快な寝汗、喉の乾き。
わたしはまだ、ちゃんと現実に戻ってこれていない。

 嫌な夢。

 足の裏に、じっとりと濡れた地面の感触が、
冷たくくっきりと残っている。
左手を伸ばしても、そこに温かい気配はない。
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