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絶対に許さないからね
第4章 愚かな母
 わたしは詩子を連れてリビングに戻った。
小さい後ろ姿を見ていると堪らなくなって、
背後から詩子を抱き締める。
やめてって言うのを無視して、
ぎゅうっと抱き締める。
硬い果実の、溌剌としたいいにおい。
詩子を抱き締めるごとに、
わたしはどれくらい詩子を大切に思っているかを思い知り、
いつもびっくりさせられてしまう。

 近づいてきたオーロに怖々手を伸ばし、
そっと撫でてやる詩子を眺めながら、
わたしはわたしの母を想う。

 愚かな母。

 母の緊張した面持ちが、
くっきりと目に焼きついてしまっている。
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