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絶対に許さないからね
第8章 宝もの
朦朧とする意識で産声を聞き、
はっと我に返ったときに見た助産師さんの満面の笑顔で、
全ての不安は過ぎ去ったのだとわかった。
出産するまで性別は聞かないようにしていたのに、
かわいい女の子ですよ、と言われ、
知ってた、と思った。
女の子だってわかっていた。
たぶん銀ちゃんの精子がわたしの卵子とくっついた瞬間から、
女の子だってわかっていた。
助産師さんから赤ちゃんを受け取った瞬間の感動は、
一生忘れない。
ううん、違う。
今世を去り、
来世に生まれ変わったって忘れない。
わたしは、
わたしの命より大切なものを授かったのだ。
やっと出会えた。
ああ、詩子……
わたしの、大切な大切な宝もの。
はっと我に返ったときに見た助産師さんの満面の笑顔で、
全ての不安は過ぎ去ったのだとわかった。
出産するまで性別は聞かないようにしていたのに、
かわいい女の子ですよ、と言われ、
知ってた、と思った。
女の子だってわかっていた。
たぶん銀ちゃんの精子がわたしの卵子とくっついた瞬間から、
女の子だってわかっていた。
助産師さんから赤ちゃんを受け取った瞬間の感動は、
一生忘れない。
ううん、違う。
今世を去り、
来世に生まれ変わったって忘れない。
わたしは、
わたしの命より大切なものを授かったのだ。
やっと出会えた。
ああ、詩子……
わたしの、大切な大切な宝もの。