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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第9章 夫人会の帰りにて

「まあ!そう言っていただいて嬉しいわ
さあ、どんどん召し上がれ」

絶対に完食しなさいよとばかりに
すべて食べ終わるまで許さないわよとばかりに
冷たい笑顔で会長は瑠璃子が食べ終わるのを見届けようとした。

一口、二口とスィーツを口に運ぶのだけれど
どうしても喉を通らない。
体調が万全であればコーヒーと一緒に喉に流し込むのだけれど
胃袋がそうはさせじと拒み続ける。

「あら?奥さま?
お体の具合がよろしくないんじゃございません?
お顔色が真っ青でございますわよ」

見かねて隣のご婦人が助け船を出してくれた。

「いえ、本当に…大丈夫ですから…」

「大丈夫なわけないでしょ!
本当に場の雰囲気が台無しだわ!
御社が作る下着同様に清楚の欠片もない人ね!」

「会長、本当に体調がすぐれない様子ですわ
私が介抱いたしますので、どうぞ皆さま会合を続けてくださいな」

隣のご婦人が「さあ、無理をする必要などございませんわ」と
瑠璃子の手を取って会合を一緒に抜け出してくれた。

「ごめんなさい…あなたにまでご迷惑をかけて…」

隣席していた女性の肩を借りて
会場を抜け出すと
申し訳なくてひたすら彼女に謝った。

「いいのよ、私だって会長におべんちゃらを言い合う会合なんて真っ平だと思っていましたもの」

それにね、と彼女は続けざまに
「あの人、御社にヤキモチをやいているのよ」

「ヤキモチ?」

「ご自分の会社は社風があるとかで
エロエロジャパンさまのような男心をくすぐる下着をつくれないものだから、妬んでいるの」

まあ、うちもよく似たものだけどね
そう言って彼女はクスクスと笑った。

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