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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第10章 グラビアデビュー
「私は派遣ですので
そういうお話は派遣元を通していただかないと…」
圭子が渋ると
「派遣元には了承済みだよ」と
トイレで局アナにハメられているうちに圭子の了承なしに話はどんどん勝手に独り歩きしていたようだ。
グラビアなんて気乗りしなかったが、
報酬がべらぼうに高額だったので
圭子としても断る理由がなかった。
数枚写真を撮られるだけでこんなにも稼げるのねと、圭子は編集局長にグラビア撮影に応じますと返答した。
「いよいよグラビアデビューかよ…
なんだかお前が遠い存在になりそうだな」
諸手をあげて圭子を送り出してくれるのかと思いきや、木ノ下は少しだけ寂しい顔をした。
「まさかあ~…華々しく芸能界デビューするわけでもありませんし、これからもお仕事のベースはお天気おねえさん一本で頑張りますから」
はい、これ、お返ししますねと
圭子は遠隔ローターを木ノ下の手に握らせた。
「これのお陰でグラビアの仕事が舞いこんできたんだ。少しは感謝しろよ」
自分の元を離れずに
これからもお天気コーナーを続けると宣言したからか、木ノ下はとびっきりの笑顔を圭子に向けてくれた。
「また、コイツで楽しもうな」
手に握り返されたローターを摘まんで
木ノ下はウインクした。
「いえ、それはもう結構です
私には刺激が強すぎます」
そう言いながらも
ベッドでなら木ノ下におもちゃで遊んでもらうのも悪くないかな?なんて圭子は思ったが
調子に乗らすとどんどんエスカレートするので
その言葉は口に出さずに心の奥にしまっておいた。