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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第10章 グラビアデビュー

「本当に付いてくる気ですか?」

部外者はダメだと追い返されるに決まってるのにと
浅香がピエロになるのを心配して声を掛けたが
浅香は引き下がらない。

「どうして?一人じゃ心細いでしょ?」

確かに彼の言う通りだし、
顔見知りが居てくれることに心強かったけれど…

意を決して703号室の呼び鈴を押した。

「お待ちしておりましたよ」

すかさずドアが開いて髭もじゃの男がヌッと顔を出した。

「はじめまして…圭子です」

ペコリと頭を下げた圭子の背後に浅香が立っているものだから「あなたは?」と髭もじゃの男は怪訝そうな顔をした。

「失礼、浅香と申します
まあ、言わば彼女のマネージャーと言いますか
つまりはスポンサーです」と
浅香は悪びれた様子もなく堂々としていた。

「スポンサー?なるほど…タニマチさんという訳ですか…」

やれやれ…
そう言ったような、げんなりした顔をしながら
「お二人さん、どうぞ中へ」と
追い返されると思っていたのに浅香までが部屋に迎え入れられて圭子は目を白黒させた。

「こういった業界のアイドルには
タニマチと呼ばれる影のスポンサーがつきものなんですよ」と
髭もじゃの男に聞こえないように小声で浅香は教えてくれた。

『へえ~…そんなんだ…』

部屋の奥には数人の男たちがソファーにふんぞり返っていたが、圭子一人で来るものだと思っていたのに、男が一人くっついてきたので苦々しい表情を浮かべた。

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