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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第10章 グラビアデビュー
「それはそうと、
近くにエステのような店は…ないですよね?」
都会と同じような感覚でいたのだろう。
撮影隊のリーダーは浅香に問いかけて
こんな僻地に空き地などあるものかと気づいたのか語尾が力なく萎んでいった。
「もちろんそんなものはありませんよ
エステでリラックスしたかったんですか?」
浅香は、風俗のような店を想像したのか
ニンマリと微笑みながらリーダーに返答した。
「あ、いえ、決して変な意味で言ったんじゃないですよ。
彼女にね…ほら、お肌の手入れをして欲しくてね
ほんとは、こっちに来るまでにエステに行かせようと思っていたんですけど、なにぶんにも急に今回のスケジュールが決まったもので伝えることができなかったんですよ」
「エステねえ…
でも、たぶん、そんな必要はないんじゃないかな」
圭子の裸体を知っているだけに
彼女のボディの美しさは保証済みですと言わんばかりだ。
「でも、圭子をリラックスさせるという点では
体をほぐしておいてあげるのもいいかもしれませんね
プロではありませんが、良ければウチの家政婦にやらせましょうか?」
「それはありがたい、ぜひ、彼女のためにボディケアをお願いします」
「わかりました。さっそく呼びましょう」
浅香はそう言うと、
リビングの奥の部屋に向かって
「幸恵さん、ちょっと来てください」と声を張り上げた。
奥から現れた幸恵という女性を見て
圭子は「あっ!」と驚いた。
それは、東京の屋敷でメイドとして働いていた女性だったからだ。
「皆さんのお世話をするために
東京から先にこちらに来させておいたんです」
そう言って浅香はメイドの幸恵を一行に紹介した。
てっきり食事の支度などは、現地の方を臨時雇用しているのかと思っていたが
それらの全てを彼女一人がこなしていたのだとわかり、圭子は女性として幸恵を尊敬せずにはいられなかった。