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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第10章 グラビアデビュー
その日は朝から快晴だった。
「この時期は曇る日が多いんだけど
どうやらグラビアの神さまは君を応援してくれてるようだね」
人っ子ひとりいないプライベートビーチは
仕事で訪れるにはもったいないような見事な砂浜だった。
さあさ、弊社の新作水着を着用して
おもいっきり読者にアピールしてくれよと
浅香が取り出したのが布面積のごく小さなマイクロビキニであった。
「こ、これを着るんですか?」
週刊ヤングバカラという青年誌のグラビアなのだから、いくらなんでも露出が過ぎるんではないかと思った。
「これぐらいの露出はオッケーですよね?」
浅香はマイクロビキニのパンツを広げて
これを着させようと思っているんですがと
撮影隊のリーダーにお伺いを立てた。
「お~!いいじゃないですか!
近頃は読者の目も肥えてきましてね、
そんじょそこらのビキニだとガッカリするらしいんですよ。
乳首と局部さえ露出しないんであれば全然オッケーです」
なあ、斬新でいいよね?
撮影隊のリーダーはスタッフの合意を求めた。
「全然いいんじゃないですか?
少年誌ならちょっとマズイだろうけど
なんたってヤンバカですからね
青年とはいえ、もう立派な大人だから
けっこう際どい衣装の方がウケますよ」
カメラマンの男は助手にカメラの調整を任せながらそう言った。
「ほら、みんなだって賛成してくれているんだから」
そう言って浅香は「早く着なよ」と
マイクロビキニを押し付けてきた。
「わかりました…
じゃあ、部屋に戻って着替えてきます」
「えっ?戻るだって?
バカなことを言うなよ
今が一番撮影に適している時間なんだよ
一分でも一秒でも惜しいぐらいさ」
時間がもったいないから
このビーチで着替えろとカメラマンは催促した。