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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第13章 帰京

食事しながら話し合いをしようじゃないかと
木ノ下は例の銀座の寿司屋に圭子を呼び出した。

暖簾(のれん)をかき分けて引き戸を開けると
「よっ!いらっしゃい!
また来てくれて嬉しいじゃないか」と
寿司屋の大将は一度だけ来店した圭子を覚えてくれてたようで人懐っこい笑顔で迎えてくれた。

「お連れさんが見えられたよ~」

この店にひとつだけの個室に向かって
大将が大きな声で呼び掛ける。

「よぉ!来てくれたね
さあ、どうぞこっちへいらっしゃい」と
木ノ下が襖を少しだけ開いて手招きした。

「失礼します」

圭子が個室に入ってゆくと
そこに待ち構えていたのは木ノ下一人ではなかった。

まるで高校生のような初々しい女の子が
木ノ下の隣でちょこんと座っていた。

「あの…こちらの彼女は?」

「ああ、紹介しよう
彼女は真下あけみというタレントとしてデビューしたばかりだそうだ」

なぜ、そんな彼女が同席するのかと怪訝に思いながらも「初めまして、下村圭子です」と挨拶をした。

「知ってますよぉ~、お天気おねえさんですよね?
それも、パンツ丸出しのエロいおねえさん」

そう言って彼女はクスクスと笑った。

『初対面なのに失礼な子』

少しだけムスっと膨れっ面をして
木ノ下と真下あけみの対面に圭子は腰を降ろした。

圭子の後を追うように
店の大将が熱々のお茶を入れた湯呑みを持ってきて
「盛り合わせでいいかい?」と声を掛けた。



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