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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第13章 帰京

「ああ、それでいいよ
その後、ちょっと大事な話があるからさあ
この襖を開けないでくれる?」

「へえ、へえ、よござんすよ
どうせまた良からぬ相談事でしょ?
全くテレビ局の人間は考えていることがわかんねえや」

ブツブツと文句を言いながらも
しばらくすると、すぐに盛り合わせ寿司が三人前用意された。

「どうぞごゆっくりと良からぬ相談をしてくんな」

大将はこれ見よがしに
ピシャッと乱暴に襖を閉じた。

「まあ、寿司でもつまみながら話そうじゃないか」

食べろと言われても何の話で呼び出されたのか気になって、圭子は箸を手にしたものの寿司をつまむ気になんてなれない。

「先に用件をおっしゃってください」

そのように圭子が詰め寄ると
「全くお前はせっかちだねえ」と
特上握りのマグロを口に頬張りながら
咀嚼を終えると、まあいいだろう遅かれ早かれ話さなきゃなんないんだからなと
木ノ下はついに重い口を開いた。

「早い話が、圭子には番組を降りてもらう」

「えっ?」

「後がまはこの子にやってもらうことにしたよ」

なぁ~、あけみちゃん
君が頑張ってくれるんだよね?と
馴れ馴れしく木ノ下は女子高生と言っても良いぐらいの女の子の肩を抱いてグッと自分の胸元に抱き寄せた。

「そ、そんなぁ!
私はほら、スポンサーの浅香さんの意向で番組を担当させてもらえるって約束だったじゃないですか!」

「ああ、その事ね
下着露出もあけみちゃんが引き受けてくれてね
そのように浅香さんに伝えたらそれで構わないということだったよ」

「そ、そんな…」

まるで周りの皆におだてられて
てっぺんに登り詰めたらいきなり梯子を外された気分だった。

「あけみちゃんは大手事務所に所属していてね
その事務所から何がなんでも彼女を使ってやってくれとプッシュされたんだよ」

私は切られたんだ…
フリーであるがゆえにいつかはこうなるとは思っていたが、まさかこんなにも早く大手事務所から目の敵にされるとは思っていなかった。

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