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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第15章 青天の霹靂
その日の夕方、
「風俗で働けよ、いいな?」と
浩にこの店に行きなと手渡されたメモを片手に
圭子は、暮れかけて行く歓楽街を一人でトボトボと
指定されたお店に向かって重い足取りで訪問した。
「あの…すいません…
このお店で働きたいんですけれど…」
何も知らないものだから
店の正面入り口から入店して
受付けのタキシードを着た男性に声を掛けた。
「え?何?面接?」
ダメだよ~、ちゃんと従業員出入り口から来てよと
タキシードの男に案内されてお店の横の路地裏を歩かされて裏の出入り口に案内された。
「しっかりと働いてガッポリと稼ぎな」
案内してくれたタキシードの男は裏の出入り口に圭子だけを残して「俺は受付けの仕事があるから」と
去り際に圭子の尻を揉んでサッさと正面玄関に戻って行った。
今までいろんなバイトをするために面接の場数を踏んできたけれど、風俗は初めてなので心臓が早鐘を打っていた。
呼び鈴もインターホンもないので
仕方なく裏口だというドアノブに手をかけて扉を開く。
そのドアは鉄格子のように重く
まるで監獄に放り込まれるような錯覚に陥る。
『ここに入ったら後戻りは出来ないわ…』
店に入ろうかどうか躊躇していると
ちょうどお店に出勤してきたのだろう、後ろから来たド派手な女性が「ちょっと!入るんならとっとと入んなさいよ!」と無理やり圭子を店の裏口から奥へと押し込んだ。