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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第15章 青天の霹靂

「逃げるったって…どこに行けばいいのやら…」

前に住んでいた部屋はとっくに引き払っていた。

「あんたも東京に出てきて長いんでしょ?
世話してくれる男の一人や二人はいないの?」

そう言われて
なぜだか圭子の頭の中に浅香の爽やかな笑顔が浮かんできた。

「ほらごらん、どうやら身を寄せる人がいるって顔してるじゃない
いい?浩みたいなヒモに縛られてちゃダメ!
あんたがここで働く以上に借金をこしらえてくるんだからね」

ほら、心に思い浮かんだ人の元へおゆきなさい

そのように彼女は圭子の背中を押した。

ヒモ…
確かに浩はヒモのような男だ。
自分はカメラマンになるのだという夢ばかり追い求めて、ろくに働こうともしない。
熟女さんの言うように、ここで働いて稼ぐ以上に借金を増やしかねない。

「でも、私が逃げたら浩はまたあなたを頼るかもしれない」

「心配しないでいいのよ
あいつの操縦法は慣れているから
あんたはあんたで幸せを掴む努力をしなきゃ」

わかりましたと、ペコリと熟女さんに頭を下げて、
ソープランドを飛び出すと、そのままタクシーに飛び乗ってそのまま浅香の住所を運転手さんに告げた。

突然押し掛けたって、またあのメイドさんにイヤな顔をされるのはわかっていた。
でも、頼れるのは浅香 準しか思い浮かばなかった。

時刻は深夜と言ってもいいような時間になっていた。
本当ならばどこかのホテルに潜伏して
翌朝に訪ねるべきだろうけれど
そこまでの持ち合わせもなかった。
タクシーに飛び乗ったものの、料金メーターとにらめっこして財布の中の金額に達した時はそこから歩かなきゃいけないと覚悟を決めた。

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