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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第15章 青天の霹靂

「ふぅ~ん、テレビ局ねえ…
それにしては早朝からの訪問とはねえ」

浅香家の当主である久は
気にくわないのか少しだけムッとした顔をした。

「まあまあ、それはようこそ
準のことですもの、それこそ夜うち朝駆けでもしないと掴まえられないですものね
あの子にはアポなんて有ってないようなものだから、本当に会いたい時はこうして起きっぱなを襲うのが正解だわね」

妻の瑠璃子の方は訪問のタイミングなど
どうでもいいとばかりに
気にくわないと口をへの字に曲げている夫の久に「さあさ、朝からそんな仏頂面しないで」と圭子をフォローしてくれた。

どうやら妻の瑠璃子の尻に敷かれているようで
「まあ…お前がそう言うのなら…」と
それ以上、圭子を貶すことをやめて味噌汁に口をつけた。

「おや?幸恵、味噌を変えたのかい?
今朝の味噌汁はとびっきり旨いじゃないか」

「旦那様、白状しますと
そのお味噌汁…圭子さんがこしらえたものなんです」

「ええっ?彼女が?」

当主の久は目を丸くして圭子の顔を見つめた。

「これが旦那様方におつくりする最後の食事ですので、丹精を込めて仕上げたかったのですが、
情けないことに、私、寝坊をしてしまいまして…」

「それならばと、差し出がましいのですが
私に出来ることがあればとしゃしゃり出てしまったんです」

幸恵の言葉を受けて
圭子は申し訳ありませんでしたと頭を下げた。

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