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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第16章 玉の輿
「準と入籍して世間的には夫婦を形勢してくれないか?
もちろん準がお前に指一本触れない根っからの男色であるならば、堂々と不倫をすればいい
世間には次期社長が所帯を持ったことでこれからも会社が安泰だと知らしませる事が必要なんだ!」
藪から棒の久の提案だったが
準の妻になることに圭子は異論はなかった。
きっと準は二刀流なのだと信じて疑わなかった。
自分が傍にいて身の回りの世話をしてあげれば
きっと愛してくれるに違いないと思った。
「こんな私で良ければ…
それが会社の役にたつのであれば
喜んで準さんの妻になります!」
降ってわいたような縁談ではあったが
圭子は妻という地位を手にいれたのだと
身も心も準に捧げる覚悟は出来ていた。
久は申し訳ない気持ちで一杯だった。
これでは戦国時代の政略結婚のようなものではないか。
わが社と浅香家の安泰のために
この娘は犠牲になってくれようとしている。
息子の準が男も女も愛することの出来る二刀流であることを心の底から願った。
仮に息子の準が、この娘に指一本も触れない真性の男色家ならば、どこかの男をこの娘に与えてやってセックスをさせてやらねばと考えていた。
「大丈夫です
私、準さんの妻になれるのであれば
どんな苦労だって耐えて見せますわ」
久の憂鬱そうな表情を読み取って
圭子はあっけらかんとしてみせた。