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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第16章 玉の輿

準の「圭子を嫁にもらってあげてもいい」という言質(げんち)を取り付けてからの父親の久の行動は早かった。

婚姻する二人を差し置いて
日取りも式場も何から何まで計画してあったかのようにとんとん拍子に事は運んだ。

そして結婚式当日。
上京してきた圭子の両親は挙式に列席する面々を見て目を白黒させた。
いずれも名高い名士ばかりだったからだ。
華やかな挙式に豪華な披露宴。
庶民とかけ離れた結婚式に「圭子、大丈夫かい?」とこれからの180度かわる生活に圭子の両親は心配してくれた。

「大丈夫よ、なんたって愛してくれている準さんが傍にいてくれるんだもん」

健気にそのように答えたものの
肝心の準は挙式で誓いの口づけを神父さんに促されても、ほんの少し唇が触れる程度で心の底から新婦を招き入れるという雰囲気ではなかった。

案の定、ハネムーンでも
腕を組んで歩いてくれるものの
夜になれば「職場の同僚も同行しているんだ。打ち合わせに行かないと」そういって豪華なVIPルームのキングサイズのベッドで毎晩一人で朝を迎えていた。

職場から同行してきた職員というのが
例の撮影会のリーダーだった男だというのも圭子は気づいていた。

筆下ろしまでしてあげて
セックスの喜びを教えてあげた準が
男の体の虜になって新婦の花びらを押し広げようともしないことに圭子は愕然となった。
それほどまでに自分の体に魅力がないのかと
圭子は毎晩のように枕を涙で濡らした。

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