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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第16章 玉の輿
ハネムーンから帰国すると
浅香の屋敷の前で今では戸籍上は姑と舅の関係になった瑠璃子と久がもろ手を上げて準と圭子を出迎えてくれた。
「お帰りなさい、圭子さん疲れていない?」
優しく微笑んで瑠璃子が圭子にハグしてくれた。
「おいおい、今はもう新妻となって我が家の一員なんだから、よそよそしく「さん」付けはいらんだろ。なあ、圭子」
久は敬愛を込めてそのように呼んでくれたけれど、
それだといままでどおりに家政婦の時に呼び捨てにされていたのと変わらない。
むしろ、瑠璃子のように「圭子さん」と呼ばれる方が格が上がった気がした。
「そうね、もう私たちの娘なんだものね
圭子、あなたたちのお部屋は二階に用意してあるわ、しばらくゆっくりして休むといいわ」
そのように言われて足を踏み入れた部屋は
ど真ん中に大きなクィーンサイズのベッドがドンと置かれていた。
『このベッドで準さんに抱かれる日が来るのかしら…』
まるで、かごの中の鳥ね…
圭子は悲しくて涙を流した。
「おいおい、何を泣いているんだい?
今ごろになって僕との結婚を後悔しているって言うんじゃないだろうね?」
「だって…だって、私、あなたの妻になったのよ!一度でいい、一度でいいから抱いてください!」
夫の準が男色家でもいい。
しかし、せめて妻となった女も抱ける二刀流になってほしかった。
「よせよ、男が欲しいのなら僕に遠慮せずに不倫してくれていいんだぜ
お前が誰と寝ようとも僕は叱らないから」
抱きついた圭子を
準は冷たく突き放した。