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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第3章 お天気ねえさん、本格デビュー

「今すぐ朝食のご準備をいたしますわね」

モーニングコーヒーを浅香の目の前に置いて
キッチンに向かう幸恵の尻をひっぱたいてやろうとしたが、
浅香はいたずら心がわいて
尻を叩く代わりにスッと尻の谷間を撫でてやった。

「ひっ!」

幸恵は驚いて小さな悲鳴をあげた。

この浅香家に仕(つか)えて四半世紀(25年)…
我が子のように慈しみ成長を見守ってきた浅香家の一人息子の準に
まさか尻を触られるなんて思いもよらなかった。

「お坊っちゃま…おふざけはおよしになってくださいな」

赤の他人なら「何をするの!」と
ビンタのひとつでもくれてやりたいが
雇用主の息子ならば、じゃれてきたのだと我慢するしかなかった。

「朝飯はいいよ、親父もお袋もバカンスに出掛けていて留守なんだから、たまには幸恵さんもゆっくりしなよ」

メイド服の幸恵さんを見ていると
イヤでも昨日のお天気おねえさんをしていた圭子を思い出させてくれた。

「いえ…そんな…ゆっくりしなよだなんて…」

準の優しい言葉に幸恵はウルっとしてしまう。

「さあさ、こっちに来て座りなよ」

浅香が幸恵の手を取って
無理やり隣に座らせた。

今まで、あまりにも近くにいたから気づかなかったけれど
幸恵だってそれなりにいい女だと気づいた。

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