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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第4章 木ノ下ディレクター

「ん?何を驚いてんだ?
いいか、教えておいてやるよ
テレビ局なんてな、弱い女は強い男に抱かれ、
弱い男は強い女にへつらう。
そうやって際どいバランスを守ってできてる所なんだよ」

「テレビ局って…けっこう怖い所なんですね」

「まあ、慣れてしまえばどうってことはないよ」

そんな嘘かまことかわからない話をしているうちに
二人を乗せたタクシーは銀座に着いた。

「さあ、この店だ。入んなさい」

そこは小さなお寿司屋さんでした。
さぞかし凄い内装かと思いきや
何て事はないいたって普通のお寿司屋さんでした。

「よっ!また来たかい」

どうやらお寿司を握る職人は大将一人のようだ。

「俺が来てやらないと潰れるだろ」

「てやんでぇ、店は小せぇが、VIPが来て大金を落としてくれるんだよ」

どうやら木ノ下と店の大将は顔馴染みのようで
気さくなやり取りが耳に心地いい。

「何だ、おめぇ、また違う女を連れてきたのかい?
女遊びも大概にしなよ」

「人聞きの悪いことを言うなよ
彼女は俺にとって大事な女性なんだから
旨い寿司をたらふく食わせてやってくれ」

「おう!任せときな
うちの寿司は、どのネタを選んでもとびっきり旨えからよ」

さて、お嬢さん、何を握りやしょ

大将が手をこまねいて握りたそうにウズウズしていた。

「好きなものを頼んでいいんだよ」

ゆっくりと選びな。そう言いながら木ノ下は日本酒を冷やで飲み始めた。



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