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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第5章 ヘアメイクの八木沢くん

「もうあなたとは絶対にセックスはしないわ!」

「何を怒ってんだよ?
お前とは体の相性もいいし
絶対に俺とくっついていた方がお前にとっては良い事なんじゃね?」

口説いてるつもりなのだろうか?
木ノ下の声は猫なで声に変わっていたが
ベッドの上でもう一回セックスをしようぜとばかりに
ペニスをおっ立ててシコシコし始める態度にカチンとなった。

「私、帰らせてもらいますから!」

えっ?ベッドに来ないの?

あんなに喘いでいたから
てっきり自分にぞっこんになっていたと思っていた木ノ下は
着衣をして帰り支度をする圭子をベッドから呆然と見つめていた。

「おい!明日もちゃんとテレビ局に来るんだよな?」

何が圭子を怒らせたのかもわからず
とりあえず番組に穴を空けるなよと念を押すと
「わかってます!公私混同はしないつもりです!」と
捨てぜりふを吐いて圭子はラブホテルを後にした。

エアコンの効いたラブホテルの部屋から夜の街に飛び出すと、
やけにムシムシした不快な夜で
梅雨が近いのか、湿気が体にまとわりついた。

さて、木ノ下と一緒にいたくなくて
部屋を飛び出したのはいいが、
すでに終電もなく、さほど持ち合わせのない圭子だったので
タクシーを拾うわけにもいかなかった。

『歩いて帰るしかないのかしら…』

トボトボと国道沿いの歩道を歩いていると、
交差点で信号待ちをしている時に
停車している車がププーっとクラクションを鳴らしてきた。

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