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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第7章 視聴率ダウン
メイドさんまで2メートルという距離にまで近づくと
メイドは腰を90度に曲げて深々とお辞儀をしてくれた。
「すいません、テレビ局の者です」
「お坊っちゃまにご用だそうですけど…
アポイントは取られておりますでしょうか?」
「あ、いえ…すいません
伺うという連絡もなしに来てしまいました…
お忙しいとは思いますがとりなしていただけますでしょうか?」
ふんっ!
まさしく鼻であしらうとはこの事だなと思った。
メイドの彼女は品定めするかのように
頭の先からつま先までジロッと一瞥すると
「少々お待ちくださいませ」と
圭子を一人残して屋敷の中に消えていった。
しばらくして屋敷の扉がバンっと勢いよく開くと
そこにはパジャマにガウンを羽織った浅香が立っていた。
「いやあ、ようこそお越しくださいました
来ていただけるとわかっていたら
それなりの格好をして出迎えたのに…
悪いね、何しろ寝起きなもので」
ささ、どうぞ中に入ってよと
浅香は手招きして圭子を屋敷の中に導いた。
扉の脇には例のメイドさんが立っていて
「ようこそいらっしゃいました」と言葉では歓迎の意を表してくれたが、その目付きは忌々しいモノでも見るように
微笑みを浮かべる口許とは裏腹に、キッと圭子を睨み付けているかのようだった。