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お天気お姉さん~明日、晴れるかな~
第1章 お天気ねえさん
「いやぁ、斬新でした!
朝からいい画(え)を見せてもらいましたよ」
見覚えのない左の席に座っているノンフレームのメガネを掛けた男性が相好を崩して話し始めた。
「あの…失礼ですが、そちらは?」
バカ!失礼な事を聞くなとばかりに、大石編成局長と葉山制作部長が木ノ下に向かって目配せをする。
「ははは…こりゃ、失礼しました」
ノンフレームメガネの男は立ち上がると
木ノ下と圭子の前まで歩み寄って
「私はこういうものです」と
二人に名刺を手渡した。
- エロエロランジェリー
広報次席 浅香 準 -
名刺にはそのように書かれてあった。
「エロエロランジェリー社って…
もしかして『おはおはジャパン』のスポンサーの?」
名刺を見つめながら木ノ下がポツリと言った。
「そう、提供させていただいてます
知っていてくれたんですね?それはありがたい」
圭子も社名だけは存じ上げていた。
圭子のような安月給の女には手が出ないけど
とてもセクシーで男に見られることを意識したデザインの際どいランジェリーを販売している会社だ。
「うちは、もともとセクシーランジェリーを売りにしているんですが、テレビCMでは、いたって普通のショーツやブラジャーの映像しか流せないんでね」
「そんな御社が…僕たちを呼び出した理由ってのは?」
いちいち口を挟むなと編成局長が苦い顔をした。
「浅香さんは、今朝のゲリラ映像に目を止めてくださってね」
何から何まで浅香に説明させるのはご迷惑だろうと、木ノ下の質問に制作部長が話を引き継いだ。
「スポンサー料の増額を申し出てくださったんだ」
「増額…ですか?」
「あなたたちがやらかしたスポット映像…
どうです、今後もあのやり方で弊社の商品をそちらの女性に履いてもらって放送してもらいたいんですよ」
浅香は興奮してきたのか、
顔を赤く染めながら早口で捲し立てた。