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結子の場合
第2章 出会い
「結子さんはなんでアプリを始めたんですか?」
数回目に会った時のこと。いつも会うカフェでのことだった。由悠季は私に聞いてきた。
「ちょっとした刺激が欲しかったんです」
と私は答えた。由悠季さんは?と聞くと、由悠季はやや照れたように、
「普段真面目にしてるんで、ちょっとくらい刺激を。それに・・・」
ちょっと言いよどんだ。目が泳ぐ。なんだろう?
「それに?」
いつもの私ならこんなふうに突っ込まないだろう。だけどこの日は違った。
刺激が欲しかったから?それともアプリで出会ったよく知らない男性だから?
私はいつになく積極的になっていた。

「・・・ちょっとだけ、自分を解放したくて」

聴くと、由悠季はこれまで国立大学を出て、すぐ就職し、今の会社でも責任ある地位まで上り詰めているのだそうだ。若いときから全く遊んだことがない、と。
妻も子もいて、毎日を不自由なく過ごしてはいるけど、もっと違う自分がいるんじゃないかと、そう思っていたそうだ。
「解放って?」
私は尋ねた。頭にはサイトのアダルト日記の記述がいくつかよぎる。もしかして・・・?
由悠季はさんざん逡巡した様子を見せる。

「解放したいなら、言ってみたら?」

私はなおも言う。言わせようとしている。何を・・・?
もし、このとき、鏡で自分の顔を見たら驚くことになったんじゃないかと思う。いたずらっぽく蠱惑的で、男を口説こうとする、オンナの眼をしていたのではないだろうか?
「・・・女装に興味があるんです・・・」
予想外のことだった。そういう趣味の人もいると聞いていたが・・・。目の前の由悠季は顔立ちは悪くないものの、女性的とは言えない。肩幅も身長もあるので、女性の服が似合うとはあまり思えなかった。

「あの時、由悠季が女装したいって、言ったの、びっくりしたよ?」
私はクリクリと亀頭に先走りを塗り込むようにさすりながら、悶える由悠季の耳元で囁く。
「ああ、変態、だって」
わざと「変態」という言葉を強調するようにゆっくりと言う。吐息が耳にかかるのが気持ちいいのか、由悠季はびくんと体を震わせる。
「かわいい・・・」
ぺろりと耳を舐めあげると、「ああ!」と由悠季はうめきに似た声を上げる。
ペニスは爆発寸前なのだろう。ピクピクと震えている。精液の匂いがむせ返るようにここまで立ち上ってくる。
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