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あかりのセックスボランティア
第7章 7 胸を張って生きていこう!
 中島くんの自宅の地下室で警察に保護されてから、本当に様々なことが私の周囲を駆け巡っていきました。

 中島くんは事件現場でお父さんに刺殺され、彼を手にかけたお父さんもあの後自らのお腹を包丁で突き刺した傷のため亡くなりました。

 監禁事件の共犯者として警察に連行された中島くんのお母さんは拘置所のドアノブで首吊り自殺を図って心肺停止から脳死に至り、その数日後には猟奇事件のニュースがセンセーショナルに日本中を駆け抜けました。


 猟奇事件の被害者である私が実の父親から性的虐待を受けていたこと、そしてその父親を私の弟が殺害していた事実は日本中を再び驚愕させ、警察病院の看護師さんは私の心情に配慮して私の病室に置かれていたテレビを地上波が映らないモニターに取り替えてくれました。

 ですが、そんなことは私にとっては本当にどうでもいいことです。


 あの日、中島くんに誘拐されて自宅に帰らなかった私を、ヒカルちゃんはずっと待っていました。

 しかし数日間待っても私が帰ってこないことにヒカルちゃんはパニックに陥り、何も持たずに家を飛び出したのです。

 ヒカルちゃんは決して近くの池に投身自殺を図った訳ではなく、本当は訳も分からずに走っている間に池に転落してしまったのでしょう。


 自分がどんな犠牲を払っても守りたかったヒカルちゃんは私が知らない間に死んでしまって、私は自分のこれからの人生は空っぽになってしまったと思いました。


 中島くんに監禁されたあの日、私は確かにこれでやっと楽になれると思いました。


 ですが、今の私は人生のあらゆる苦難から解放された代わりに、人生に残されていた少しの充実感を全て失ってしまったのです。
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