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あかりのセックスボランティア
第2章 2 正常な側の存在
「今はもう慣れましたけど、普段はお医者さんの鈴木さんがああやって私に甘えてくるのは今でもどきどきしちゃいます。奥さんにもあんな風に甘えてるんですか?」
「妻にはあんな姿はとても見せられないよ。もう年頃の娘もいる身だし、君のような若い女の子とこんなに楽しいことをしていていいのかと自問自答することもある。だけどね……」

 鈴木さんは中年男性にありがちな思慮深さをひけらかそうとする口調で話し、そのまま自分について語ります。

「障がいのある男の子になりきってあかりさんに甘えている時だけは、自分が自分らしくいられるような気がするんだよ。ここにいる時の私が真の私で、普段病院で働いている時の私は虚像に過ぎないのかも知れない。……これからも、君に甘えていいかな」
「当たり前じゃないですか。私も鈴木さんとエッチなことするの大好きですから」

 この人はいつまでも自分は正常な側の存在だと思いたいのだなと考えながら、私は純度100パーセントの笑顔を鈴木さんに向けました。


 性風俗店にも関わらず貸し切りのプールを備えているサンフラワーは一般的なソープランドと比べて段違いに利用料が高いですが、それでもプールという特殊な環境で性奉仕をして欲しいお客さんがいるから商売が成り立っています。

 鈴木さんが毎回予約する75分コースは1回で10万円近くかかりますが、それを鈴木さんが毎月ポンと支払えるのも彼が正常な側の存在で、現役の医師であるからです。

 私は鈴木さんから2万円を直接受け取ると口元を隠してスマホでツーショットを撮らせてあげて、鈴木さんはその写真を大事にクラウドに保存していました。

 脱衣所の出口で鈴木さんにディープキスをしてから彼を見送ると、私は順番を待っていた次のお客さんを脱衣所に迎え入れました。
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