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あかりのセックスボランティア
第2章 2 正常な側の存在
 その日は日給で数十万円を頂いてから店を後にし、サンフラワーの男性従業員さんが運転する車で自宅の最寄駅まで送って貰いました。

 現金払いのお給料を小さなカバンに片付けてぎゅっと握っている私に、初老の従業員さんはぽつりと話しかけます。


「あかりさん。……弟さんは元気にしていますか。何か困ったことがあれば、話ぐらいは店長と私が聞きますよ」
「ありがとうございます。幸い少しずつ元気になってきて、最近は近くを散歩したりしています。お勉強も自分から進んでしてるんですよ」
「そうですか、それは良かった。……これから何があっても、ご自身を大切にしてください」

 従業員さんはそこまで話すと車を徐行させ、私は小さなカバンだけを持って車から降りました。

 来週もよろしくお願いしますと頭を下げると従業員さんは右手を上げて車で走り去り、私は夕ご飯の材料をスーパーで買い揃えました。
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