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♥crack an APPLE♥
第1章 Welcome to CRUSH!
***
今日の勉強も終わり。
日が沈み始める夕暮れの頃、巴月は帰路に就いた。
コウモリが赤い光を受けて飛んでいる。
獣の遠吠えが遠くから聞こえる。
巴月は昔水望からもらった十字架をしっかり握って、早歩きで歩いた。
「きゃっ」
べた、と音がして木から何かが降ってくる。
巴月のすぐ足元に降ってきたそれは、まるまると超えたウサギほどの大きさもあるオオネズミであった。
――魔物だ
オオネズミは巴月の匂いを嗅ぎつけるなり、ぐるりと目を見開き口をパクパクとさせる。
食べる気だ、そう悟った巴月は懐から小瓶をとりだし、コルクをあけて中身をオオネズミに一気にふりかけた。
そうするとオオネズミは奇怪な声を上げながら飛び跳ねて、どこかへ逃げていってしまう。
「効いた……!」
初めて自分でつくった(仕上げは水望がやったものの)聖水がちゃんと魔物に効いたことに巴月は素直に喜んだ。
明日水望に報告しよう、そんなことを考えていた、そのときである。
「へえ、おまえエクソシストなんだ?」
ふと、見知らぬ声が聞こえてきた。
今日の勉強も終わり。
日が沈み始める夕暮れの頃、巴月は帰路に就いた。
コウモリが赤い光を受けて飛んでいる。
獣の遠吠えが遠くから聞こえる。
巴月は昔水望からもらった十字架をしっかり握って、早歩きで歩いた。
「きゃっ」
べた、と音がして木から何かが降ってくる。
巴月のすぐ足元に降ってきたそれは、まるまると超えたウサギほどの大きさもあるオオネズミであった。
――魔物だ
オオネズミは巴月の匂いを嗅ぎつけるなり、ぐるりと目を見開き口をパクパクとさせる。
食べる気だ、そう悟った巴月は懐から小瓶をとりだし、コルクをあけて中身をオオネズミに一気にふりかけた。
そうするとオオネズミは奇怪な声を上げながら飛び跳ねて、どこかへ逃げていってしまう。
「効いた……!」
初めて自分でつくった(仕上げは水望がやったものの)聖水がちゃんと魔物に効いたことに巴月は素直に喜んだ。
明日水望に報告しよう、そんなことを考えていた、そのときである。
「へえ、おまえエクソシストなんだ?」
ふと、見知らぬ声が聞こえてきた。