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♥crack an APPLE♥
第5章 それが糧とならないように祈りましょう
「い、一緒にって……」

「僕の家に遊びにおいで。一緒にご飯でも食べよう」

「え、え……でも、だって……私、なにもできないですよ? そんなにお世話してもらってもなにも恩返しをすることもできない……」

「別にそれを求めてこんなこと言ってるわけじゃないよ。僕のきまぐれ」




巴月は疑うかのような眼差しを水望にむける。

今まで酷い扱いを受けてきたというのに、急にこうして優しくされるのだからそれは仕方の無いことだろう。

何を望んでいるのか、と巴月は勘ぐっているのだ。




「……あの……私……女性として水望さんを満足させることなんてできませんからね……」

「……、」



まず初めに巴月が疑った可能性は、最も単純で、最もありえることであった。

みたところ巴月の容姿はなかなかに整っている。

今まで偽の優しさをひけらかし巴月をものにしようとした者がいてもおかしくはない。

疑われるのは気持ちのいいことではなかったが、巴月の境遇を考えれば仕方の無いことなのだと、水望は自分で納得する。



「そのへんは大丈夫。いたいけな少女に奉仕させるなんて変な趣味僕はもってないから」

「あ、ち、違うんです……水望さんのことそんな風にみていたわけじゃ……」

「いいんだよ。そうしなければ自分を守れない環境に、君は今までいたんだ。……でも、それは悲しいことだと思う。僕の傍にいれば、きっと君にもうそんなことをさせない」

「水望さん……」





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