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♥crack an APPLE♥
第5章 それが糧とならないように祈りましょう
水望はすっと巴月の頬に手をのばす。
え、と思って巴月が目を見開くと、水望が親指で巴月の唇をそっと撫でた。
じっと見つめられ、どくん、と巴月の心臓が跳ねる。
「……みなみ、さん」
ゆっくりと、水望が顔を近づけてきた。
――え、これって、もしかして……
わかった瞬間に、ぶわっと全身から湯気がでてくるように体中が熱くなった。
まって、そう言いたいはずの唇が動いてくれない。
わずか細められた瞳に、いつもと違う、水望の色気のようなものを感じた。
え、うそ、なんで、
こういうのって、だって、恋人どうしがやることじゃ、
まって、まって、水望さん、ちょっとまって……
あ、でも、水望さんとなら……
巴月はぎゅっと目を閉じる。
そして、震える手を、自分の頬に触れる水望の手に重ねた。
「――……」
「……」
「……巴月」
「……は、は、はい……」
「……ごめん、冗談」
「……えっ?」
目を開けてみれば、水望が困ったように笑っている。
「あ、で、ですよね! そんな、私とキ……あっ、いや……その……」
「えっと……ごめん。ほら、洗い物終わったしそろそろ帰る準備しないと」
「あ、はい! す、すぐします」
水望は巴月の頭をぽんぽんと撫でると、背を向けて離れていってしまう。
え、と思って巴月が目を見開くと、水望が親指で巴月の唇をそっと撫でた。
じっと見つめられ、どくん、と巴月の心臓が跳ねる。
「……みなみ、さん」
ゆっくりと、水望が顔を近づけてきた。
――え、これって、もしかして……
わかった瞬間に、ぶわっと全身から湯気がでてくるように体中が熱くなった。
まって、そう言いたいはずの唇が動いてくれない。
わずか細められた瞳に、いつもと違う、水望の色気のようなものを感じた。
え、うそ、なんで、
こういうのって、だって、恋人どうしがやることじゃ、
まって、まって、水望さん、ちょっとまって……
あ、でも、水望さんとなら……
巴月はぎゅっと目を閉じる。
そして、震える手を、自分の頬に触れる水望の手に重ねた。
「――……」
「……」
「……巴月」
「……は、は、はい……」
「……ごめん、冗談」
「……えっ?」
目を開けてみれば、水望が困ったように笑っている。
「あ、で、ですよね! そんな、私とキ……あっ、いや……その……」
「えっと……ごめん。ほら、洗い物終わったしそろそろ帰る準備しないと」
「あ、はい! す、すぐします」
水望は巴月の頭をぽんぽんと撫でると、背を向けて離れていってしまう。